「闘う組織」を読んでみた!レビュー、感想、内容、学んだことまとめ

ダイレクト出版(月刊ビジネス選書)
この本をオススメできる人
  • 今現在の仕事を楽しくワクワクするものにしたい
  • 仕事の生産性を上げたい
  • 社員やチームの仕事に対するモチベーションを上げたい
  • 人のマネジメント能力を高めたい
  • 会社全体の雰囲気をイキイキしたものに変えたい

「闘う組織」個人的な総合評価

2018年5月の月刊ビジネス選書です。

全239ページ。

「スコアをつければ組織が動く」という本を以前紹介させていただきましたが、今回は前回の本の理解をさらに深める一冊です。

「ゲームやスポーツに熱中するように、ビジネスも夢中になって遊ぶように取り組むためのコツ」を学べる内容になっています。

仕事はお金をもらっているにも関わらず「イヤイヤ」働いている。でも、ゲームやスポーツは疲れる要素や大変な要素、しんどい要素がたくさんあるにも関わらずわざわざお金を払ってまで取り組む。

しかも、めっちゃ楽しそうに。(笑)
 

ゲームやスポーツとビジネスとの違いは何か?

本書では、「スコアキーピングがあるかどうか」が両者を分ける大きな違いだと書いています。

そして、スコアキーピングをビジネスに取り入れることで、モチベーションや生産性が大幅に上がるとも書かれていました。

スコアキーピングの効果やどうやってスコアキーピングをビジネスに取り入れるかについて、具体例を用いて本書は教えてくれます。

この方法を、コカ・コーラ社やマクドナルド、アメックス、マイクロソフトといった大手企業にも採用されているそうですよ。

この本では、具体例としてスポーツに関するストーリーや日常生活での一コマがふんだんに使われています。

米国らしいものもありますが、大体想像がつくのでわかりやすいですね。

ただ、例が多いというのは逆に読書が苦手な人の場合、「あれ?今何のこと話しているんだろう」となるかもしれません。各章ごとにまとめなどポイントをまとめたものがあればさらに良かったかなと思いました。

あと、私が数字にかなり弱いこともあるのですが、「リソース対成果率」という、パフォーマンスを測定する方法がイマイチつかめませんでした。(もう少し読み込めば理解できるのかもしれませんが、スルーで)
 

役立ち度や実行しやすさはぼちぼち、といったところ。というのも、この本のメインターゲットは「会社や組織」だからです。

チームでスコアキーピングすることで、メンバーの熱意を高め、楽しんで仕事をしてもらうことでより高い生産性を上げるということを主なテーマとしています。

ですがもちろん、私のような個人の場合も取り入れられる部分はありました。

ただ、私自身、仕事や作業は「やる気が出ない」ということもなく、習慣のように淡々と行えていることなので、「もっとエキサイティングに楽しみたい!」という意欲や、逆に「仕事がつまらなすぎてイヤ」ということもないんですよね。

なので、スコアをつけるための土台作りをする時間をわざわざ思えないのが「ぼちぼち」の理由です。

ただ、試してみたいと思ったのは、「自分で稼いだお金と出費、どっちがどれだけ多いか?稼いだお金が多かったら、勝ち!」というルールを決めて、収入と支出をグラフ化してみることぐらいはできるかなぁなんて考えていました。

あとは、家事に時間制限を設けて、かかった時間を記録してみることでしょうか。

ふだん行っている作業やルーティンにゲーム性を取り入れてみるのは面白い発見になるかもしれませんね。

「闘う組織」で学んだこと、生かしたいこと

闘う組織 レビュー

本書の中で多くのことを学べますが、特に自分自身にとって有益で学べたことや生かしたいことについてまとめていきます。

そもそも、ゲームにどうして夢中になれるのか?

●明確な目標があるから

●スコアキーピングがうまく機能するから
 →客観性が高い
 →自己管理ができる
 →仲間がチェックする役になる
 →ダイナミックに変化する
 →現在の記録と過去の記録、標準記録とを比較できる

●フィードバックする回数が多いから
 パフォーマンスの質を上げるには、フィードバックの質や回数を増やすと効果的

●プレイヤー自身に選択の自由があるから
 →プレイするかどうか、各自で自由に選択できる
 →「意思」「行動」「姿勢」を自分で決めることで「楽しみ」が増える

●スポーツでは、ゲームの途中でルールを変えたりしないから
 ルールが変わると、不確実性が増し、安心してプレイに集中できない
 

これらの「ゲームに夢中になれる理由」をビジネスに適応する効果

  • 仕事に対する熱意や喜び、満足度が増す
  • 高いレベルの自己実現が達成できる
  • 生産性が上がる

高いモチベーションを職場にも導入するには、目標設定が大切

●目標は、書き出す
 →漠然とした願望に現実味と普遍性を持たせる一定の効果がある
 →目標を書き留め、定期的に読み返すことで忘れることを防ぎ、現実のものになる
 →現在位置と目標地点の具体的な計画を立てることができる

●目標は具体的にイメージできるポジティブなものにする
 「~しない」ではなく、「~できるようになる」という攻めのスタンス
 ex.禁煙=「タバコを止める」ではなく、「毎日決めた本数を吸う」
   →目標本数より少なくてもダメ
   →きっちり決めた本数を吸いきるのを目標に少しずつその数を減らしていき、最後に0本にする

●目標は期限を設定する
 どれだけ、いつまで、いくつ

●目標はどんな利益が得られるかがわかるようにする
 →自分にとってどんな利益があるのか
 →なぜ、自分がやる必要があるのか
 →達成したときに、どんなご褒美を自分にあげるのか、具体的なものを決めておくと良い
 →動機(なぜ自分がやる必要があり、どんな利益があるか)と行動のバランス=「動機」を重たくすると行動しやすい

●目標は現実的かつ達成可能なものにする
 →ハードルが高すぎるものだとやる気がなくなる
 程よい手ごたえor「前に進んでいる感」のある目標にする

効果的なスコアキーピングの基本

●シンプルかつ客観的に
 →自分がスコアをつけやすく、続けやすいものにする

●自分でスコアキーピングを行い、現在の記録と過去の記録、標準記録を比較する
 →できるだけ頻繁に客観的な数字をもとにフィードバックを行い、軌道修正すること
 →たとえ目を背けたくなる結果だったとしても、真実と向き合うことで勝利に近づく

●数値だけでなく、グラフやチャートにすると視覚的にインパクトがあって良い

 

「闘う組織」目次、著者

目次

Foreword やる気のスイッチ
遊ぶように仕事をすれば、期待以上の成果が生まれる

Introduction 人生は取引である
相手に勝ち方を教えれば、自分が欲しいものも手に入る

Part1 ゲームはなぜ楽しいか
Chapter1 仕事より遊び
どんな要素があれば熱意やパワーをもって仕事に打ち込めるのか

Chapter2 目標を明確に定義する
ゴールがなかったらどうなるか

Part2 スコアをつけて成長を管理する
Chapter3 スコアキーピング
どんなスポーツにも、どんなビジネスにもぜっていに不可欠な理由

Chapter4 フィードバック
事業の成長を推進する加速装置

Part3 選択すればフィールドも決まる
Chapter5 選択の自由
より自由な方法でやりたいことを選べるか

Chapter6 フィールド・オブ・プレー
自分のフィールドも知らずに成果を上げることはできない

Part4 勝利の方程式
Chapter7 勝者の条件
勝者には偶然なれるものではない

Chapter8 勝者の姿勢
勝者は、成功には蓋然性があることを知っている

Part5 勝てる組織を作る
Chapter9 リソース対成果率
勝利するために測定する

Chapter10 勝利のメンバー選び
チームが勝利するための人材を採用する

Chapter11 モチベーション
勝者を偉大にするコーチング

Part6 さあ、ゲームを始めよう
Chapter12 ビジネスへの応用

Conclusion 夢中になろう

著者

●チャールズ・A・クーンラット
THE GAME of WORKの会長兼最高経営責任者。

目標設定、利益改善の分野で世界的に名を知られ、著述家、コンサルタント、講演者として活躍している。

著書の4冊は経営幹部の必読書とされており、ベストセラー「こころのチキンスープ」にも寄稿している。

ブリガム・ヤング大学マリオットスクール・オブ・マネジメントのアントレプレナー・プログラムを支援し、講師を務めている。

フィードバック、スコアキーピング、目標設定、コーチング、選択、責任に関するチャックの考え方に触れたことのある企業役員、マネジャー、スーパーバイザーは5大陸の100万人以上に及ぶ。

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