「ストーリー・ブランディング 」 を読んでみた!レビューと学んだこと、口コミ情報まとめ@熱狂的なファンを生み出す「ブランド」の語り方

ストーリー・ブランディング レビュー 口コミ ダイレクト出版(月刊ビジネス選書)
この本をオススメできる人
  • 自分の会社や製品、サービスの熱烈なファンを増やしたい
  • アップルやナイキ、ハーレー・ダビットソンなどの強力なブランドを作る秘訣を知りたい
  • 「ストーリー・ブランディング」というタイトルになぜか惹かれる

2017年5月の月間ビジネス選書新刊です。

全290ページ。

より見込み客との強いつながりを結ぶために重要な「ブランドのテーマ」。この「ブランドのテーマづくり」について深く掘り下げて書いてある本だと感じました。

成功しているブランドは、独自の物語やテーマがあるというのは本書を読んでなるほどなと思いましたね。

でも、そのテーマって製品のUSP(独自の売り)じゃないんです。

「この製品は○○ができます」
「他にはないこんなこともできるんです」
「格安です!」

これを私たちにガンガン主張したところで、「あ、便利そう」「よさそう」と思っても、それだけだと熱烈なファンにはなりませんもんね。他にもっと便利で、高機能で、もっと安いものがあればそちらに手を伸ばすと思いませんか?

この本が教えてくれるのは、製品のメリットとか特徴をどう書くかじゃなくて、そのブランドとしての理念やあるべき姿を見つけ、見込み客の心に刺さるように語るための方法。

心の底から「このブランドがいい」と思ってもらうための物語の書き方です。

ブランディングについて学びたいあなたに手に取ってもらいたい本ですね。

読みやすさ

専門用語やカタカナ言葉が多く、回りくどいややこしさを感じました。ときどきジョークも挟んでくるんですが、基本的には硬めの文章ですね。流し読みだとイマイチ中身がつかみにくい感じです。

深く理解するためには、ちょっと腰を据えて読む必要があるかなと感じました。

でも、章ごとにまとめがあるのはありがたかったです。

役立ち度

自分がブランドを作る側であれば、広告文やテーマを作るときなどは役立つんじゃないかなと感じました。

ただ、私はアフィリエイター・・・。

たとえば自分をがっつり出して「自分ブランド」を立ち上げるなら役立つかもしれません。

あとは、アフィリしようとしている製品ブランドをリサーチするとき、または選ぶときに、ちゃんと公式サイト内でUVP(Unique Value Proposition)「独自の価値提案」がされているかをチェックしようと思いました。

製品紹介のほかにも、そのブランドの物語を個別ページで簡単に伝えてもいいですもんね。

実行しやすさ

「一人称文でブランドについて書いてみる」というのは新しい視点だなと感じましたし、やろうと思えばできる部分ですね。

ただ、一人称文を書くまでのリサーチがちょっと面倒そう・・・汗

本気でブランディングについて取り組みたい人はやってみる価値はあると思います。

「ストーリー・ブランディング 」 で学んだこと

お客さんの心をつかむためには、お客さんが本当に思ったり感じたりしている具体的な気持ちや感情にどれぐらい近づいた表現ができるかがカギを握っています。「あ、これ、私のこと言ってる!」と思わず振り向いてしまうほどの言葉の選び方が重要です。

私たちはよく「あなたの悩みや問題は、この商品サービスを使うことで解消できますよ」という文章なり話し言葉なりで伝えます。なので、商品サービスの機能説明や独自の強み(USP)を押し出す方法を取りがちです。

確かにこれでも商品やサービスはある程度売れますし、まずはUSPを前面に出して商品のことを知り、使ってもらうことが第一歩にはなります。が、これだけでは「そのブランドの大ファン」という熱狂的なお客さんを作ることはできません。

商品の外側だけ伝えているから、お客さんの外側の部分(問題解決)だけしか満たされないんです。

外側を満たしてあげられる商品サービスは他にもたくさんあるので、機能やUSPだけであればライバルも真似できますし、自分の商品サービス以上のものは時間が経つほどどんどん出てきます。

自分の商品サービスと同程度、下手するとそれ以上の機能を持ったものがもっと安く売りだされることもあります。そうなると・・・どうなるかはもうわかりますよね?

熱狂的な大ファンを作る秘訣は「お客さんの『こうでありたい』という強いあこがれを満たしてあげること」です。

たとえば、ハーレーダビッドソンやアップル・・・これらのブランドは、「ワイルド」「カッコよさ」「スタイリッシュさ」など、なんとなく感覚的なイメージがわいてきますよね。これこそが「悩みや問題を解決する」以上のブランド力を持った状態です。

大型バイクが他にも多数ある中でも根強い人気のハーレーダビットソン、新商品が出るたびに長蛇の列ができるアップル。どうしてこれらのブランドは熱狂的なファンを作ることができるのか?

それは、商品自体のUSPや効果だけでなく、お客さんの願望をブランドのイメージやコンセプトで満たしてあげられているからです。もちろん機能面でも優れているところがあるかもしれませんが、時代が変わってもずっと愛され続けている商品サービスの秘訣は「ブランドイメージ、コンセプト」なんです。

商品サービスの「独自の強み」ではなく、「独自の価値」を伝えるために、ブランドの背景やイメージを伝えるようにしましょう。

「自分の商品サービスは、お客さんの外側、内側両方をどのように満たしてあげられるのか?」

熱狂的なファンを作るためにも、考えてみる価値はあると思います。

他にも、

  • お客さんの外側の悩みと内側のあこがれを明らかにする方法
  • ブランドの背景やコンセプト、イメージをどのように伝えると効果的か?
  • 熱狂的なファンを作る過程での4つの障害とは
  • マーケティングに応用可能な12種類の原型
  • 作者と同じ感情を抱かせたいときに効果を発揮する文章の書き方
  • ストーリー・ブランディングの作り方6ステップ
  • 優れた商品価値を考案する28のヒント
  • あなたを際立たせるパーソナル・ブランディングのヒント
  • ストーリー・ブランディング流セールスのヒント
  • ストーリーテラーから学べる5つのこと

 
などを学ぶことができます。

熱狂的なファンがいるというのはとても心強い状態です。もちろん自分の商品サービスを改良していくことは大切ですが、たとえライバルがより性能が良いもの、新しいものを出してきても「いや、やっぱり自分はこれじゃないと」「やっぱりこれが一番しっくりくる」ととどまってくれます。

その商品サービスを持っていること、利用していることが一種のステータスなわけですね。

本書では、2つの架空の会社で「熱狂的なファン」を作るための物語を完成させていく行程が書かれているので、参考になると思います。

「自分の商品サービスのファンを作りたい」そんなあなたは必見の書です。

「ストーリー・ブランディング 」 目次、著者

目次

Foreword USPから物語へ
どう語ればいいかではなく、何を語るべきか

ReIntroduction 物語の目的とプランニング
「ストーリー・ブランディング」の真の力を伝えたい

Part1 ストーリー・ブランディングの誕生
物語がなぜ、ブランディングに火をつけるエンジンになるのか
Chapter0.5 価値ある物語
なぜ私は、この本を書かずにいられないか
Chapter1 インスピレーション
クリエイティブ・ブリーフから、創造的な制作物へ
Chapter2 物語の時代
テクノロジー万能の世に求められるもの
Chapter3 物語の本質
ただの作り話ではない、魂を探すための旅の地図
Chapter4 2つの登場人物
ストーリー・ブランディングのモデルを実行する
Chapter5 4つのレベル
ブランドと見込み客の関係を心理面で変える

Part2 ストーリーブランディングの構造
物語のエンジンはあなたをどこへ連れていくのか
Chapter6 6つのC
ブランドの何が物語に影響を及ぼすのか

Step1 バックストーリーを集める
Chapter7 バックストーリー
企業の過去、現在、未来を分析する

Step2 ブランドを性格づける
Chapter8 ブランドが第一
消費者のニーズという束縛から自由になる
Chapter9 ブランドの内層
信念と価値観で構成されるブランドの魂
Chapter10 元型分析
隠れた意味を表面化して、ブランドの内層を明確にする
Chapter11 ブランドの外層
プロダクツが目標に到達する中、障害といかに取り組むか

Step3 見込み客を性格づける
Chapter12 見込み客の内層と外層
ブランドと見込み客の関係づくり

Step4 登場人物同士を結び付ける
Chapter13 適切なマッチング
見込み客との間に強固で永続的な関係を打ち立てる

Step5 障害に立ち向かう
Chapter14 障害に取り組む
見込み客との間にレベルⅣの関係を築く必須の行程

Step6 「ストーリー・ブリーフ」を完成させる
Chapter15 ストーリー・ブリーフ
ブランドストーリーの各要素を明確にする
Chapter16 一人称文を書く
共感できる一人称文を、どのようにして書くか
Chapter17 一人称文の例
読み手の共管と理解を高める文章を書く練習
Chapter18 独自の価値提案
ブランドについて記す最も重要なセンテンス
Part3 ストーリーを仕上げる
プランニングのプロセスのための指針
Chapter19 リサーチ
ブランドと見込み客の間をつなぐツール
Chapter20 2つの真実
ビッグTとスモールtから効果的な広告がわかる
Chapter21 創造的な才能
クリエイティブ・チームには、手錠がかけられている
Chapter22 真実と物語が出会う時
「ジ・エンド」が示す終わりと始まり
Chapter23 原理を応用する
パーソナル・ブランディングとセールスに役立てる
Part4 エッセー
付録:ストーリー・ブランディングについての補足
01 物語を売る
ブランドより遠くまで進む内層の力
02 本物の物語
ブランドのハートに着目する5つの方法
03 物語の活用
ストーリーテラーから学べる5つのこと
04 幸せホルモン
「信頼」を売るガラクタ商品から発見したこと
05 意味を強化する
ジョージ・オーウェルからブランディングの教訓を学ぶ
06 新しい説得の道
「自慢話をする」広告から創造的な広告へ
07 人材を評価する
仕事をゲットしたい?それなら物語を語ろう
08 競争相手
長所を宣伝するだけでなく、独自の価値提案(UVP)が必要だ
09 物語を使って売る
あなたのブランドがなぜ存在するのか、その答えを語る
Conclusion 私の物語
私は、いかにして物語の力に関心を持つようになったか

著者

●ジム・シグノレリ
マーケティング分野の思想的リーダーであり、講演者でもある。
また、ストーリーブランディングの世界的なエキスパートの一人として称賛を浴びている。
アメリカ、カナダ、ヨーロッパの新聞、雑誌にはシグノレリの特集記事が掲載され、ラジオのトーク番組にも特別出演している。
これまでシティバンク、ゼネラルエレクトリック、東芝、クラフトフーズ、バーガーキング、KFC、タコベル、マクドナルドなどをクライアントに持つアメリカ国内の大手広告代理店で仕事を行ってきた。
また、eswStorylabの創業者であり、CEOでもある。
同代理店は「クレーンズ・シカゴ・ビジネス」紙のシカゴの広告代理店トップ25に挙げられ、また急速に成長している企業として「Inc.5000」のリストに3年連続で選ばれた。

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