- 顧客の記憶に強烈に残る方法を学びたい
- プライベートでも記憶に残る瞬間を意図的にたくさん作りたい
- 自分自身のモチベーションの高め方を知りたい
- 計画倒れしない、目標達成の方法を学びたい
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「瞬間のちから」個人的な総合評価
2018年7月の月刊ビジネス選書です。
全259ページ。
ストーリーをたくさん交えつつ、「人生を変える瞬間」を意図的に作り出す方法が書かれた一冊です。
ザーッと読むと途中でダレてきてしまう部分もありますが、読みやすい書籍だと感じました。
理由としては、結構な数の実例やケーススタディが収録されていて、するっと入ってくるものが多く読みやすいですし、章ごとにまとめがあるのもとてもわかりやすいからです。
個人的に読んでて一番印象的&好きな事例は、リッツカールトンホテルに子どもがお気に入りのキリンのぬいぐるみ(ジョシー)を忘れてしまった話ですね。
大好きなぬいぐるみを旅先に忘れてしまって眠れないほど子どもがあまりにも悲しむものだから、「ジョシーは今バカンス中だけど、楽しんだらちゃんと帰ってくるよ」と親が慰めました。
幸い、ジョシーが見つかったというホテルの連絡があったので、そのときに親は「ジョシーが休暇中だと説明しているので、バケーションを楽しんでいる様子がわかるようにプールサイドのラウンジチェアでジョシーの写真を1枚撮ってほしい」と頼んだそうです。
数日後、帰ってきたジョシーに添えられていたのは一枚の写真ではなく、一冊のアルバムでした。
頼んでいたようなプールサイドでくつろぐ様子もあれば、ゴルフカートを運転している姿、ホテルで飼っているオウムと遊んでいる姿、目の上にキュウリのスライスが貼り付けてあるジョシーがスパでマッサージを受けている姿などなど…
そのアルバムには、ジョシーのあらゆるバカンス写真があったそうです。
…これって、すごいサービスじゃないですか?さすがリッツカールトンのサービス精神と言いましょうか。もう神かと。(笑)
親も嬉しいですし、何より子どもがめちゃめちゃ喜びますよね!^^
期待をいい意味で裏切るサービスは、やっぱり心に深く残ると思います。
こういう「記憶に残る瞬間」を作るためのエッセンスや、瞬間の力をビジネスに生かす方法、そこからさらに深堀りして目標設定方法などを本書では学ぶことができます。
私にとって、「瞬間を作る」という切り口の書籍を読んだのは初めてだったので、なかなか新鮮でした。
ビジネスだけでなく、家庭を含めてプライベートでも生かせるので、なかなか役立ちますね。
ただ、「決定的な瞬間、心に残る瞬間を作るためには、手間暇がかかる」というのはあらためて思いました。
効率を求めてしまうと、「記憶に残る瞬間を作る」という工程は「無駄なもの」に見えがち。
さっきのジェシーの話もそうですが、効率を求めるとすると頼まれたプールサイドの写真だけサクッと撮っておしまいにしてしまいたくなりますもんね。
他の業務ややらなければならないことを優先すると、どうしても手間暇かかるものは後回しになりますし、「もっと早くて簡単で生産性の高い方法はないの?」と考えてしまうので結局しないままになることも多々あると思います。
本書でも、「最高の瞬間を作り上げるのは思っているより大変」と書かれていることから、実行しやすさは微妙なところ。
効率や生産性を求めていると、「最高の瞬間」は作れません。
「最高の瞬間を作りたい」そう思ったら、ある程度そのほかのことを犠牲にしてでも時間や労力をかける決意が必要だと学びました。
毎日「最高の瞬間を作る」というのはやっぱり難しいです。でも、「最高の瞬間を作る」という引き出しが増えただけでも大きいですよね。
特に私にとって、子どもたちや夫と過ごす毎日の中で、「節目の時間をもっと特別に演出する」という方法を学べたのが良かったです。
本書でぜひ「最高の瞬間の作り方」を学んでみてください。
「瞬間のちから」で学んだこと、生かしたいこと
決定的な瞬間は人生を左右します。そしてそれらは、意図的に作り出すことが可能で、人生は工夫次第で特別なものになる瞬間にあふれているんです。
「人生の決定的な瞬間」をどうやって作るのか?
詳しくは本書を読んでもらえればと思いますが、要点だけざっくりまとめてみたので、参考にどうぞ。
ピークエンドの法則
●人はある経験を振り返るとき、起こったことのほとんどを無視して数少ない特定の瞬間に注目する傾向がある
→最高の瞬間と最悪の事態、そして最後という重要な時間が評価の主要要素になる
→ある瞬間が、他の瞬間に比べて圧倒的に素晴らしく、重要になるようにもっていけば「良い記憶」として顧客の心に残る
→そういった瞬間は、偶然ではなく自分で作り出すことができる
決定的瞬間の4つの要素とは
- 高揚
- 気づき
- 誇り
- 結びつき
一つだけでも「決定的瞬間」になりえるが、人生を変えるほどの「決定的瞬間」は4つすべてを満たしていることが多い
高揚
日常を超越する、想像以上のサプライズがあったときの感覚的な楽しさ
●高揚する瞬間を作る3つの作戦
①感覚に訴える
→「良いところ」の数をたくさん作る
→見た目を日常とは違うものにする
②期待を膨らませる
→競争やノルマ、締め切り、試合など、効果的なプレッシャーを与える
→周囲がカメラを取り出しているかどうか
③台本を逸脱する
→いい意味で予想(期待)を裏切る戦略的サプライズ(キリンのぬいぐるみ、ジェシーの話参照)
→台本通り(期待通り)をやめなければならない
→まずは自分の台本を認識し、演じ、検証し、破壊してみる
気づき
●自分自身や世界についての認識を大きく変える瞬間
→発見の喜びを感じるような前向きな気付きもあれば、ショックを受け、落ち込むようなマイナスの気づきもある
→考えるだけでなく、実際に行動して挑戦することで自己洞察が生じ、答えが出せるようになる
●マイナスの気づきについて
→目を背けてきたものにあえて光を当てることで逃げられなくする
→偶然ではなく、意図的に作ることができる「気づき」の瞬間
→明確な考え、速やかな認識、自らの発見が大切
→他者への気づきの促しにも使える
誇り
●何かを達成した瞬間や勇気を出せた瞬間
→教師や上司など、目上の人などに認めてもらうことで人生が変わることもある
結びつき
●冠婚葬祭やスポーツイベントなど、人と人とが関わることで生まれる
→他者と共有するからこそ「一体感」や「結束」が高まり、「決定的瞬間」が起こりやすくなる
●その行動により大きな意義を感じさせる
→意義を感じることで、情熱を感じて成果につながりやすく、グループの結束力を高められる
→意義にたどり着くためには、「なぜ?」を繰り返すと見つけやすい
●相手が自分のことを敏感に察知してくれていると感じる3つの要素
→相手は、自分が自分をどう思っているか、自分にとって何が大切かをわかってくれている(理解)
→相手は、自分がどんな人間で、どうしたいのか尊重してくれている(承認)
→相手は、自分がやりたいことを積極的に支援してくれている(配慮)
これらを意識して敏感に相手を察しながら自分も心を開けば急激に親しくなれる
大切にしなければいけない「人生の句読点」の見抜き方
●人生の句読点3つ
1、転機
入社初日や引っ越し、結婚生活といった新しいことを始めたとき
2、節目
誕生日や新年、月初めといった、「古い自分」と「新しい自分」とを線引きするとき
3、最悪の事態
苦痛、苦悩、不安などのマイナスな決定的瞬間を迎えたとき
●自分のビジネスやプライベートにおいて、3つの句読点とは何かを考えてみる
→これらの句読点を迎えたときが「時間や労力を投じる価値のある状況」
→サプライズとして相手に特別なことをしてあげると長く記憶に残る経験となる
効果的な目標設定の方法
●最終ゴールまでにいくつか節目を自分で作り、達成したらお祝いするといった「レベルアップしている感」を出す
→より大きなゴールに一歩一歩繋がっていく複数の中間目標を設けると「誇り」を持ちやすくなる
→節目に到達する最後の瞬間であと一押しを引き出せる
●事前に行動計画を立てていれば、成功確率を上げられる
→○○したら××するという流れやセットを作ってしまう
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「瞬間のちから」目次、著者
目次
Part0 決定的瞬間
chapter1 決定的瞬間とは?
なぜ、その瞬間を創るべきなのか?
勉強を頑張っている学生を称えるイベントがあったらいい……8
決定的瞬間は偶然起こるものなのか?……11
長く記憶に残るような決定的瞬間を増やす……12
chapter2 瞬間に着目する
どのような瞬間が価値ある時間なのか?
いつが大切な瞬間か知っておく……23
「結婚生活を振り返るセレモニー」……28
節目を祝うことの重要性……31
最悪の事態は、わからないように覆い隠す……33
注目すべき瞬間に組織はどう向き合うか……38
PART1 高揚する瞬間
chapter3 最高の瞬間を作り上げる
時間や労力を投じた「記憶に残る最高の瞬間」作り
「ゴールディング裁判」……48
顧客サービスを成功させるには……56
高揚する瞬間を作る3つの作戦……63
「私は恵まれている。余命3ヶ月と告げられたのだから」……67
chapter4 台本を逸脱する
戦略的サプライズを持って人々の予想を裏切る
ぬいぐるみのジョシーの休暇……71
変革を起こすには、本質的に台本から逸脱する……80
戦略としての「台本からの逸脱」……85
PART2 気づく瞬間
chapter5 真実に直面して当惑する
自分たちの生活に嫌悪感を抱かせて、意識改革を後押しする
屋外排泄の習慣をなくすには……98
世界の見え方が変わる決定的瞬間……104
脳に何かがひっかかって苦戦する……106
chapter6 気づくために挑戦する
自分自身に対する理解を深める必要があるなら
自己洞察につながる「行動」をする……112
「ピーク・エンドの法則」……117
メンターの方程式①:「高い基準+保証」で後押しする……120
メンターの方程式②:目標と支援には強い力がある……121
リスクに挑む……125
PART3 誇らしく感じる瞬間
chapter6 気づくために挑戦する
自分自身に対する理解を深める必要があるなら
自己洞察につながる「行動」をする……112
「ピーク・エンドの法則」……117
メンターの方程式①:「高い基準+保証」で後押しする……120
メンターの方程式②:目標と支援には強い力がある……121
リスクに挑む……125
chapter7 周りの人たちを認める
相手を認めることによって、彼らにとっての決定的瞬間を作る
「声を出さずに歌いなさい」……138
みにくいアヒルの子が美しい白鳥に変化するとき……140
相手を上手に評価する……142
心のこもった形で感謝を伝えるには……147
「感謝の訪問」の効果……151
chapter8 節目を増やす
私たちは誰でも節目が好きなのだ
最終目標にたどりつくために……154
レベルアップ戦略でやる気になる節目を作る……157
誇らしく感じる瞬間に気づいているか……160
私たちは、誇らしく感じるチャンスを逃している……162
節目は最高の瞬間に値する……165
最後のひと押しを出す節目効果……167
chapter9 勇気を出す練習をする
勇気とは恐怖に抵抗し、打ち勝つことである
何が、公民権運動における第一歩を支えたか……170
勇気を出す瞬間……174
プロの役者が参加した実践練習で緊張感を作り出す……179
PART4 結びつく瞬間
chapter10 共有できる目的を作る
グループメンバーと親しくなっていくためには
患者の幸せの探求という目標を共有する……194
全スタッフが一緒に取り組む……200
つらい体験—共通の課題に取り組む……202
より大きな意味—目的をもたせる……204
chapter11 結びつきを強める
あらゆる関係作りに有効な「秘伝のソース」
教師と親の関係が学校改革のカギだった……210
相手が敏感に察知している時、人間関係が強まる……217
相手を敏感に察知して人間関係をスムーズにする……224
「親密になりやすい」会話、「なりにくい」会話……227
chapter12 瞬間を大切にする
どうすれば、最高の瞬間をより素晴らしいものにできるか
決定的な瞬間そのものを目標にしよう……238
「気づきの瞬間」……243
もっと知識を深めたい読者への提案……250
Appendix トラウマの瞬間への対処
前向きな成長のための5つのアドバイス……251
著者
●チップ・ハース
スタンフォード⼤学のビジネススクールの教授(ビジネス戦略論及び組織⾏動論)。
GoogleやGapなどの世界的企業のコンサルティングを⾏なう。本書『瞬間のちから』はニューヨクタイムズとウォール・ストリートジャーナルでベストセラーとして取り上げられた。
ダン・ハースとの共著で『スイッチ』(早川書房)『決定⼒』(早川書房)『アイディアの
ちから』(⽇経BP社)などがある。
●ダン・ハース
社会起業家をサポートしているデューク⼤学のCASEセンターのシニアフェロー。ハーバード・ビジネススクールのMBA、オースティンのテキサス⼤学のPlan II Honors Programの学⼠号を取得。
ハーバードビジネススクールの研究者およびケースライターとして働く。チップ・ハースとの共著で『スイッチ』(早川書房)『決定⼒』(早川書房)『アイディアのちから』(⽇経BP社)などがある。
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