- 業界を変え、成長させた人の考え方やもののとらえ方を知りたい
- いいチームを作りたい
- 自分の業界をもっと発展させたい
- ゲームが好きで、ゲーム業界が今後もっと飛躍していくことを応援している
- 任天堂が好き、またはお世話になった、または応援している
「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」個人的な感想
「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」は、ほぼ日刊イトイ新聞や任天堂のウェブサイト「社長が訊く」に掲載された、元任天堂の代表取締役社長である岩田聡さんのことばを再構成した本です。
2015年、胆管腫瘍により55歳という若さで逝去された岩田さん。
わたし自身、岩田聡さんの作品と聞いてピンときませんでしたが、ググってみてびっくり。
星のカービィ、MOTHER2、ポケモンシリーズ、スマブラシリーズという人気&有名なタイトルのほか、ニンテンドーDSやWiiという革新的なゲーム機本体の開発にも携わっているというすごい人でした。
MOTHER2とか、いまだに思い出すと「あれは神ゲーだったな」と思えるぐらい印象的な、めっちゃ好きなゲームのひとつです。
本書を読んで、岩田さんの価値観や考え方、姿勢がどんなふうに日本のゲーム業界を影響を与え、ゲーム業界を変えたのかを知りました。
そして周囲の人にどれほどいい影響や刺激を与えたのかもわかります。
たとえば、宮本茂さんと糸井重里さんが岩田さんについて振り返る章がそれぞれあるんですが、岩田さんはとても信頼されていて、とても素敵な人だったんだなと感じることができます。
個人的に「岩田さんって、めちゃめちゃ愛されてたんだな」と特に感じた部分を本書から抜粋しますね。
宮本さんのお話の中では、ここの部分↓
岩田さんがいなくなって、会社はきちんと回ってますよ。(中略)
困ったのは、ぼくが週末に思いついたしょうもないことを、月曜日に聞いてくれる人がいなくなったことですね。
お昼ご飯を食べながら、「そうそう、あの話ですけどね」っていうのがなくなったのは、ちょっと困っているというか、さみしいんですよね。P191
糸井重里さんのお話の中では、ここの部分↓
ああ、つまらないこと覚えているもんだなと思うけど、あの、岩田さんってね、「ハッピー」って言うときに、こうやって両手をパーにするんだよ(笑)。こういうふうに、、「ハッピー」って(笑)。そんなこと、わすれないもんだねぇ。
あの日は、よかったな。ふたりっきりで、長々としゃべって。P200
糸井さんの振り返りに岩田さんの晩年のころのお話があるんですが、のどの奥がキューっとなりましたね。
また、本書の「はじめに」という部分。このすべてに、岩田さんへの愛が詰まっていると感じました。
そしてもちろん、「愛」だけでなく「学び」もたくさんあります。
本のなかに掲載したどのことばにも、岩田さんの思考と哲学がとけています。それはいまでもわたしたちを勇気づけますし、とてもリアルに行く道を示してくれたりもします。
P5
エッセイ風に岩田さんのことばが書かれているんですが、「あ、今の刺さった」と心に留まる部分があるんです。
こういう考え方ができる人が、業界を変えていくんだなと思いましたね。
全体的にとてもあたたかくて、うまく言葉として表現しにくいのですが、「グッと心にくる本」でした。
語りかけられているかのように優しくスッと入ってくる、学びの本…一読の価値ありです。
「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」を読んで心に留まったことばと学び
今回は、本書の中でも特にわたしが「心に留まったことば」を学びとともにご紹介していきます。
岩田さんのビジネススタイルからの学び
好きか嫌いかではなく、「これは、自分でやるのがいちばん合理的だ」と思えばすぐに覚悟が決まるんです。
P24
そして、とても重要なことは、結果的にそれがただただ嫌なことだったわけではなく、自分がやるという覚悟によって、「できなかったことができるようになる」というおもしろさにつながったということです。
P88
考えようによっては、仕事って、おもしろくないことだらけなんですけど、おもしろさを見つけることのおもしろさに目覚めると、ほとんどなんでもおもしろいんです。この分かれ道はとても大きいと思います。
P58
必ずやらなければいけないことで、「自分でやったほうがいい」と思うのであれば、たとえそれが得意なことでなくても自分でやる。
そしてそれがおもしろさにつながる。
なかなか得意でなかったり面倒なことになると、「とりあえずこなす」だけだったのですが、これらのことばから、「おもしろさ」につながる視点を探そうと思えました。
わたしのなかで「楽しい」というワードはかなり重要なポイントです。
「一見楽しくなくて苦痛に感じていた作業やできごとも、楽しめるようなおもしろいところを探してみよう」ということで、まずは毎日の家事や週3回のパート勤務の中で「おもしろさ」をみつけてみます。
というか、今考えてみるとその「おもしろさ」ってすべてブログやSNS発信のネタにもなるかも?なんてひらめきました。
ちょっとワクワクできそうです。
あらゆることがそうですけど、仕事って、かならず「ボトルネック」といわれるいちばん狭い場所ができてしまって、そこが全体を決めちゃうんですよね。逆に、全体をどうにかしたかったら、ボトルネックがどこなのかを見つけて、まずそこを直さないといけません。ボトルネックより太いところをいくら直したとしても、全体はちっとも変わらないんです。
P48
ボトルネックの概念は知っていたのですが、やっぱり「ボトルネック」というだけあっていちばん自分にとって苦手な部分だったりしますよね。
なので、ダメな部分を見つけることもちょっと苦痛だったり、たとえそのことを気づいていたとしてもスルーしがちです。
今これを書いていてふとつながったのですが、さっきの「おもしろさを見つける」レベルを上げて、「ボトルネックを見つける」「ボトルネックを1%でも改善する」ということにもおもしろさを感じられる人になったらめちゃめちゃ強い人になれるんじゃないでしょうか。
まずは「おもしろさ見つけるレベル」を上げていこうと思います。
そのために、事実を見たら、つねになぜそうなるのかの仮説を立てるんです。仮説を立てては検証して、とくり返しているうちに、より遠くが見えるようになったり、前には見られなかった角度でものが見られるようになったりするんです。
P78
ハイ、さっそく出ました!「仮説を立てて検証すること」はわたしにとってのボトルネックです。(笑)
とりあえずひらめいたことを行動してみる、というのは得意な方なのですが、やったらやりっぱなし派。
仮説と検証をしないと無駄な時間と労力、資金を食うというのは重々承知なんですが、やっぱり苦手なんですよね^^;
だから、遠くが見えず目の前のことばっかりやって苦しくなること多々。
でも、ここ3~4年、アフィリエイトやビジネスの学びを深めていくことで、すこ~しずつ、それこそ1%ずつでも改善していきつつあります。
そして、「これをやってみたら、こんな結果が出た」ということのおもしろさをようやく最近になってわかりはじめてきました。
まだまだ「検証」といえるレベルではありませんが。。。
でも、もっと遠くを見れるようになりたいし、もっといろんな角度でものごとを見れるようになりたいので、これからも実践あるのみです。
岩田さん流「得意」や「才能」の見つけ方や、それらをふまえての優先順位のつけ方
「判断とは、情報を集めて分析して、優先度をつけることだ」ということがわかったんです。「そこで出た優先度に従って、物事を決めて進めて行けばいい」と思うようになりました。
P26
ですから、自分たちはなにが得意なんだっけ、ということを自覚したうえで、「なには、なにより優先なのか」をはっきりさせること。順番をつけること。それが経営だと私は思います。
(中略)
つまり、自分たちがすごく苦労したと思ってないのに、妙に評価してもらえるときというのは、放っておいても、どんどんいい結果が出て、いい循環になって、どんどん力が出ていく状態。それが自分たちに向いている得意なこと。そうじゃないことは向いてないことだ、というふうに、わたしはだいたい判断していますね。P44~45
これらの考え方は個人事業をしている人にとってかなり参考になるのではないでしょうか。
いい循環に入ることができる「得意なこと」を見つけて、優先順位を上のほうに持っていく。ビジネスで実践すると、わりと早い段階で成果が出そうな感じがします。
何となく、どれも均一にやっていった方がバランスがいいのかななんて思って「得意なこと」「苦手だけどやらなくちゃいけないこと」をごちゃまぜにしてタスク化していましたが、「得意なこと」の優先度を上げていきたいと思いました。
きっとその中には大変なことやしんどいこともあると思いますが、「得意なこと」の中に含まれていて、「自分でやった方が合理的なこと」であればおもしろさを見つけて自分でやってみます。
ただ、時間は有限なので、「自分でやらなくていいこと」であれば他の人に協力をお願いすることも必要ですね。
つまり、才能というのは、「ご褒美を見つけられる能力」のことなんじゃないだろうかと。「なしとげること」よりも、「なしとげたことに対して快感を感じられること」が才能なんじゃないかと思うんですよね。いってみれば、「ご褒美発見回路」のようなものが開いている人。
(中略)
自分が注ぎ込んだものよりも、ご褒美のほうを大きく感じる瞬間が来れば、よい循環がはじまるし、それが続くんです。たぶん、人が自分の人生のなかで、「ここが得意かも」って思ってることって絶対ご褒美回路が開いてますよ。
そして、それがひとつあると、できることがさらに増えていくんです。というのも、そのご褒美回路のそばに、似たようなことで自分がご褒美だと感じられる別の新しいものがあるんです。
(中略)
自分の身のまわりにあることとつながっていないことを無理に勉強しても、身につかないんですよ。だったら、それに時間を費やすよりも、自分が好きで得意なことをやろう、という優先順位になってしまうんです。P82~83
ああああ…めっちゃ覚えがあります。「やった方がいいなって思って始めてみたけど、身のまわりのこととつながってないから続かない」ってやつ^^;
3日坊主の理由は、ここにありますね。身のまわりのこととつながってないから、やってみたところでご褒美を発見できなくて飽きるんです。
新しい「好きで得意なこと」を増やすためにも、今からもっと「好きで得意なこと」を優先的に取り組んで、ご褒美回路をまずは広げることを意識していきたいと感じました。
岩田さん流「信頼されるコミュニケーションの取り方」からの学び
ですから、言いたいことは言ってもらいますし、言いたいことを言った後だったら、ある程度、入るんですよ、人間って。
人が相手の言うことを受け入れてみようと思うかどうかの判断は、「相手が自分の得になるからそう言っているか」、「相手がこころからそれをいいと思っていそう言っているか」ののどちらに感じられるかがすべてだとわたしは思うんですね。P30
それで、自分はどうしてこういうことを言ったのかとか、なにがあってこういうことを決めたのかということを、もちろんなにもかもしゃべれるとは限りませんが、その背景をできるだけ説明していくんです。
P31
傾聴の大切さと、誠実に伝えることの大切さを、あらためてこのことばたちで学びました。
つい、相手の話が途中であっても、自分の意見をはさんでしまいがちです。
夫や子どもに対するコミュニケーションにおいてもハッとするところがありました。
相手が空っぽになって、言いたいことを出し切るまできっちり聴く。そして、そのあとようやく自分の意見を背景を含めて誠意をこめて伝える。
すべて意識して行うには訓練が必要ですが、習慣として取り入れていきたいコミュニケーションの姿勢でした。
いろんな問題を同時に解決する「アイデア」を出すための考え方とは
「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」
P104
これは、岩田さんのことばではなく、任天堂代表取締役、ゲームクリエイターであり、あのマリオの生みの親である宮本茂さんのことばのなかで有名なものの一つだそうですね。
はじめて触れたことばなんですが、言われてみれば確かにそう。アイデアってこういうものなんだなと感じさせられる名言です。
そして、そのことばを受けて岩田さんはこう続けます。
でも、これとこれを組み合わせるとこういうことが起こるぞ、っていうのを見つけたときは、それがふつうの人が気づいてない切り口であればあるほど、価値が出てくる。問題となっている事象の根源をたどっていくと、いくつもの別の症状に見える問題がじつは根っこでつながってることがあったり、ひとつを変えると、一見つながりが見えなかった別のところにも影響があって、いろんな問題が同時に解消したりする。
P106~107
ほんとうは「お客さんがこう反応する」っていう事実があって、「それはなぜだろう?」という問いかけがあって、そこではじめて「じゃあ、どうすれば、根っこの問題が解決できるだろう?」って考えなきゃいけないのに、「オレはこう思う!」という、事実と仮説をぐちゃぐちゃに混ぜた意見を押し通してしまうことが多いんですね。
P110
ビジネスだけでなく、プライベートでも使える本質的な考え方ですね。
事実として問題を見る。
時間がかかりますし、面倒ですし、なんならちょっとストレスを感じたりすることもあるので目を背けたくなりますが、ここがまず大切なんですね。
そして、問題を見つめたあとで「これらの問題の、根っこの部分は何なんだろう?」と考えを広げてみる。
今の自分より、来年の自分。
そして、5年後、10年後の自分がもっと「よりよいアイデア」を生み出せる人になれるよう、少しずつ鍛えていきたいと思いました。
というわけで、今回ご紹介したのは「個人ブロガー」として、そして、「妻であり母」として心に留まったことばたちです。
本書では、組織やチーム作りや経営について、そして上司の立場としての社員との関わり方など、「社長」として33歳という若さからずっと担ってきた岩田さんならではの考え方、取り組んできたことについてのことばたちもあります。
読んだ後、きっとあたたかい気持ちとともに、実際のさまざまなシーンで活かせることばや学びもあるのではないかと思います。
「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」まとめ
個人的に、ゲームはとても好きです。一人っ子であることもあってか、友達とワイワイ遊ぶより、ひとりで家にこもって遊ぶ方が安心感があるタイプだったからか、小学生のころのゲームボーイから始まり、スーパーファミコン、PS、PS2、PSPと青春時代をゲームで彩りました。
岩田さんが関わった作品の中でも、初代ゲームボーイ版の星カービィやMOTHER2はハマって遊びまくった記憶がしっかりあります。
学校で嫌なことがあったときなんかはとくに、自分の部屋のゲーム機につながったテレビの前が最高の癒しの場所でした。
親に「ゲームばっかりしとらんと…」と苦言をもらったこともありますが、やっぱりそれでも社会人になるまでずっとゲームの魅力にどっぷり。
仕事で忙しくなって、しばらくゲームからは離れていたのですが…
子どもを持つ親という今までとは違った立場から、また久々にPS4を購入したことをきっかけにゲームの世界に戻ってきました。
実際に遊んでみて、やっぱり、ゲームっておもしろいなぁとあらためて感じましたね。わたしが知っているころより、もっと楽しい仕掛けが増えてめちゃめちゃ進化してるなと。
ビジネスや働きかたに関して心に留まったことばのいくつかはさきほどアウトプットしましたが、ほかにも、岩田さんの考える「ゲーム」について言及されている部分があって、興味深く読み、あらためて考えさせられたこともあります。
「ゲームをしない人がゲームを理解するようにならないと、ゲームというものの社会的位置がよくならない。
ゲームばっかりやっているとダメになる、脳が壊れるなど、社会的に悪いイメージばかり先行してしまうと、ゲームが好きな人も遊ぶことに罪悪感を感じるようになってしまう。」
本当にそう思います。子どものころは、言われる側。親になってからは、子どものことを心配してあんなに嫌がってた苦言をついつい言ってしまう側になってしまってますね。
でも、子どもが夢中になって楽しんでいたり、イキイキしていたり、どんどん成長して親であるわたし以上に上手くなっていく姿を見ていると、「窮屈な親」にはできるだけなりたくないなと感じました。
これから通信速度がさらに飛躍的に伸びて「5Gの世界」になれば、ゲーム業界がかなり発展するといわれています。
「ゲームがめちゃくちゃ好き」
これも、ひとつの強みとして生きてくる世界がもうすぐそこまで来ている気がしてなりません。
そして、日本のゲーム業界がもっと発展していくことを、ひとりの30代ママプレイヤーとして陰ながら応援していきたいと感じました。
最後に、本書から抜粋で締めくくりたいと思います。
岩田さんのことばが、長く、たくさんの人に届きますように。
P5
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