- 収益性の高いビジネスアイデア、ビジネスモデルを探している
- 急成長する企業に投資したいが、どのような企業に投資すればいいかわからない
- 急成長市場のトップに立つ会社を立ち上げたい
「スターの法則」個人的な総合評価
2017年11月の月刊ビジネス選書新刊です。
全279ページ。
先月の「Simplify マーケットを支配する最強のビジネス戦略」 に引き続いて「80対20の法則」を書いたリチャード・コッチさんの本ですね。
本書は爆発的に成長し、急成長する市場でトップを走る「スターベンチャー」について掘り下げて書かれています。そのスターベンチャーは市場の中の全体のうち約5%程度。
「スターの法則」を読むことで、その5%のスターベンチャーを見つける方法や、スターベンチャーを立ち上げる方法を詳しく知ることができます。
成功する起業やビジネスアイデア、モデルを見つけたいなら、32のトリガーはぜひ読んでもらいたいですね。これ、かなりアイデアが出ると思いますよ。
特に新しい会社を興そうとしているわけじゃないけど、そんな私でも「あ、それじゃこういうのはどうかな?」ってアイデアが出ましたから。
スターベンチャーに投資して利益を上げたい人。
スターベンチャーで働いて充実感と高給を得たい人。
スターベンチャーを立ち上げたい人。
どんな人でも参考になると思います。
ちなみにアフィリエイターでも、「投資」を「商品のジャンルやアイテム選び」という視点に変えればこの本も参考になるかなと感じました。(これから流行るジャンル、商品を誰よりも早くアフィリすればそれだけ強みになりますよね)
読みやすさ
少し大きめの文字で書かれていて、余白もちょうど良く、読みやすいデザインです。章ごとにまとめもありますし、最終章は全体のまとめで締めくくられているので、理解しやすいと感じました。
役立ち度
「起業家」「投資家」であればもっと役立ち度は高いと思います。が、アフィリエイターである私にとっては、「商品ジャンルと商品選び」に関しては役立つなと思ったものの、それ以外の点では少し生かしにくいなと感じました。
実行しやすさ
先月の「Simplify」もそうですが、スターベンチャーになるために会社や自社商品の方向性を変える必要があることも多々あるでしょう。また、場合によっては「諦める」ということもあるでしょう。でも、大きな収益を生むためには頑張る価値はあるかなと感じます。
「スターの法則」で学んだこと
「スターベンチャー」「スタービジネス」って何?
本書で書かれている定義は二つあります。
一つ目は、市場の成長速度が少なくても毎年10%以上で、さらにその急成長している期間が5~10年にわたってあることです。
成長速度は早ければ早いほどいいし、もちろん急成長している期間が長ければ長いほどいいですね。
二つ目は、独自のスキマ市場のリーダーであることです。二番手以下ではありません。トップじゃなきゃだめです。
市場が高成長していて、さらにその市場のリーダーというポジションを獲得することで、その企業は見事「スターベンチャー」となれます。
スターベンチャーを立ち上げればもちろん会社はどんどん成長し、資産も増え、名誉を得ることができます。
スターベンチャーに投資しても、もちろん莫大な利益が得られます。
スターベンチャーで初期の頃から働けば、高い給料と充実感が得られます。
つまり、どんな立場でも、「スターベンチャー」に関わることができればかな~り豊かな生活ができるというわけです。
でも、「スターベンチャー」ってどうすればなれるものなんでしょうか?どうすれば見つかるものなんでしょうか?
本書ではたくさん事例を挙げて詳しく説明されていますが、ここではその一部をご紹介したいと思います。
スターベンチャーを立ち上げるためのヒント
大切なのは、「ポジショニング」です。
今ある急成長の市場でのスキマを見つけて、新しい独自のニッチ市場を作ることをおすすめします。
「自分の土俵を作る」というわけですね。自分に有利な土俵を作ってしまえば、他の会社はなかなか勝てないということにつながりますから。
スキマの見つけ方としては、この本の「32のトリガー」を読んでいただければと思いますが、例えば「高価格が当たり前の市場で、無駄をそぎ落として低価格のものを作る」ということ。配送料や従業員数をカットし、お客さん自らが組み立てる必要はあるけれども質が良いものを安く買える「IKEA」。航空会社でも、無駄をそぎ落として安く利用できるところもありますよね。
もちろん、「低価格が当たり前の市場で高価格プランを作る」という逆パターンもアリです。
つまり、こういう「当たり前だと思われていたことの逆を行く」発想でスキマを見つけていくんです。
そして、そのスキマを見つけたら、そのスキマでトップを狙いに行きます。
しかも、断トツのトップです。トップのポジションをひたすら維持していきましょう。そうすれば、晴れて「スターベンチャー」の仲間入りを果たすことになります。
ただし、スキマの市場を開拓するときに重要なのは、「元になる市場が急成長しているかどうか」ということ。年に10%・・・いや、30%、50%、なんなら100%でも大歓迎です。そして、その急成長が5~10年、それ以上ずーっと続く市場を選びましょう。
パッとしない市場でスキマを見つけて起業しても、もともとパッとしてないところなんだからそのスキマなんてほんと小さいもの。収益が大きく出るはずありません。
元の市場が急成長していなければ、自分が新しく作る市場が年10%以上キープなんていうことも難しいですからね。
まぁ、細々とやっていくならそういう手もありますが、潰されてしまう可能性も大いにあるのでご注意を。
スターベンチャーの見つけ方
上記に書いた「スターベンチャーを立ち上げるためのヒント」を実践している企業を探す、ということですね。つまり、急成長している市場で新しいスキマ市場作り出している企業です。
投資するなら、企業の規模が小さい、立ち上げて間もないぐらいに投資できればかなり大きな儲けになります。
スターベンチャーで働く際も同様に、規模が小さい、最初の30人程度の従業員になりましょう。もちろん仕事はとても忙しいですが、重要なポジションにつけたり、どんどん給料が上がる楽しみがあったり、お客さんに役立つ製品サービスに関われることでの充実度もとても高いものになります。
スターベンチャーを立ち上げたり、見つけて投資したり、働いたり・・・豊かな人生を送るために、知っておきたい情報を学ぶことができ、良かったです。
その他、
- あなたに優良ベンチャーを創業する素質があるかのチェック表
- スターベンチャーの創造に必要な7つのステップとその具体例(ベットフェア、ファイロファックス、ベルゴ、マクドナルド、コカ・コーラ、シルク・ドゥ・ソレイユ)
- 新カテゴリを作るための32のトリガー
- 本当にそのニッチ市場は高度成長が遂げられるのかどうかのチェックリスト
- 新しいニッチ市場の名前の付け方
- すでに誰かが創業したスターに便乗し、自力創業よりも比較的小さな努力で大きな成功を手に入れる方法
- スターベンチャーの見つけ方
- スターベンチャーを見つけたら何をすべきか
- スターの成長を妨げる4つの要因
- スターベンチャーに欠かせないスタープレーヤーの特徴
- 偽スターを見破る方法
- あなたのスターベンチャーからどんどん買ってくれる、利益率の高い顧客を絶えず増やし続けるための公式
- 利ザヤをがっちり確保するための公式
- 高品質の製品を量がどれだけ増え続けても一貫して機械的に提供し続けるための公式
- ライバルを寄せ付けないためにイノベーションと改善を日常的な手順にするための公式
- あなたの会社が今スターでなくても、これからスターへ進化する可能性があるかを図るチェック項目
- スターに進化させるための連鎖的4ステップ
といったことが書かれています。
P185
必要なのは決意、専念、そしてエネルギー
「いつかスターベンチャーっていうのに関われたらいいなぁ」なんて適当に構えてても、出会わないのは当たり前です。
本書にもある通り、「スターベンチャーを立ち上げる!」「スターベンチャーを見つける!」という強い決意と、そこに注力すること。そして、スターベンチャーを得るための行動力、エネルギーが必ず必要になってきます。
マーケティング担当者、経営者、起業して大成功を収めたい人、将来性のある会社で働きたい人、投資家・・・「スターベンチャーで豊かになりたい!」と思っているあらゆる人におすすめできる本ですね。
「スターの法則」目次、著者
目次
序章 スタービジネスの秘密
第1部 スタービジネスの考え方の基本
第1章 魔法の公式
これだけは知っておくべき、成功に必要なこと
第2章 スタービジネスの核心
それは、どんな要素を備えるベンチャー起業家
第3章 スターになるアイデア
力強さの証となるもの
第4章 誰にもチャンスあり
スターを最大限に活用する戦略
第2部 スターの見つけ方
第5章 スターを探すアプローチ
スタービジネスを追い求めて努力することの重要性
第6章 生まれながらのスター
ベルゴ・レストランとベッドフェアは、なぜ最初から成功できたのか
第7章 スターに発展させる
すでに起業したビジネスを上手に発展させるには
第8章 天国までの7ステップ
スターベンチャーの創造に不可欠なテンプレート
第9章 スターを作る その1
源泉となるアイデアはいかにして生まれるか
第10章 スターを作る その2
スターを確実に選ぶ
第11章 スターに便乗する
小さな努力で大きな成功を手に入れる
第12章 偽物のスター
スターではないとわかったらどうするか
第3部 スターの育て方
第13章 離陸する
価値あるビジネスになる1歩手前のステップ
第14章 スターへの転換
非スター事業をスターに変革できるか
第15章 高い期待を抱く
常軌を逸した期待が、高い成長を引き寄せる
第16章 スターの落日
スターの座から転がり落ちる時、何が起こるか
終章 スターをつかむ
本書で何を学んだか要点を整理する
著者
●リチャード・コッチ
33か国語に翻訳されたミリオンセラー「人生を変える80対20の法則」の著者。
ファイロファックス、プリマス・ジン、ベルゴ・セントラル、ベットフェアなどのベンチャー事業に出資し、起業家・投資家としても大成功を収めている。
ベイン・アンド・カンパニーの共同経営者、L.E.K.コンサルティングの共同創設者という経歴も持ち、20冊以上に及ぶノンフィクション作品の著者でもある。
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