「モチベーションの心理技術」を読んでみた!レビュー、感想、内容、要約まとめ

ダイレクト出版(月刊ビジネス選書)
この本をオススメできる人
  • 部下やチームを率いるリーダー、コーチ
  • 子どもが自己肯定感を持ち、よりよい人生を歩んでほしいと思っている親や教育者

「モチベーションの心理技術」の要約、要点

人に何か行動を起こしてほしいときや、誰かが間違ったことをしたとき、よかれと思って叱咤激励の言葉をかけたり、厳しい評価を下すことはありませんか?
 
でも、あなたが発するその言葉がけは本書でいうところの「死の言葉」になっているかもしれません。
 
死の言葉を使うと、人間に生まれつき組み込まれている「ネガティビティ・バイアス」に働きかけてしまうことになります。
 
すると…
 
ストレス。生産性の低下。不安。混乱。警戒。
消極的な態度。想像力や生産性、貢献度の低下。
鬱。不安神経症……

あらゆるマイナス効果を引き起こすことにつながります。
 

一方、「アファメーション」や「命の言葉」と本書で表現されている「ポジティブな言葉がけ」を効果的に行えば、脳に肯定的な変化を引き起こします。
 
たとえば幸福感を得られたり、パフォーマンスの向上に関連する神経化学物質が放出されたりなど。

ポジティブな言葉がけをもらえた人は、自分の内側から湧き出てくるモチベーションによって行動するようになります。

さらに、その人本来の強みや輝きを持って、生産性高くチームのために貢献してくれるようになります。
 
本書を読むことによって、「アファメーション」「命の言葉」といったポジティブな声かけの方法を学ぶことができるようになり、

「あなたからのあの言葉が、自分の人生を支えてくれた」

そんな嬉しい言葉をもらえるかもしれません。
 

というわけで!

ここから要点をまとめていくので、ぜひ参考にしてみてください^^

ポジティブな声かけの基本

●リーダーが頭角を現すためには、仕事重視のマネジメントだけでなく、「率いる部下の感情面や人間関係を重視する」枠組みにも時間とエネルギーを使うことが肝要

●強力なアファメーションは、他者から自分の性格の長所を認められた時に生じる
→特に、尊敬する人から深い意味を持つ言葉で肯定されると、感情の中枢に何らかの信念が形成される

●アファメーションは、人間の心理の3つの側面に届くように慎重に行わなければならない
 

人間の3つの側面とは?アファメーションの戦略と戦術について

●人間の3つの側面
 1、習慣的スタイル=リーダーの表面的な顔
 2、コンピタンス=リーダーの技術と能力
 3、コア=リーダーの内なる自己

1、習慣的スタイル=リーダーの表面的な顔

・私たちを常に特徴づけている目に見える行動パターン
ex.「おとなしそう」「元気」「威厳がある」があるなど

・自分のスタイルを認識することで、自分の良い面を強調し、マイナス面のある性質を緩和できる

習慣的スタイルの4つのタイプ

【実行者=仕事を成し遂げるために集中した行動をとる】
・長所
実用的、計画的、集中力がある、合理的、事実や経験を基準点として使う

・短所

  • 配慮に欠けるため、無神経な人に見えることがある
  • あまり情熱的、創造的ではない
  • 技術的スキルや論理性に欠ける人に無礼な態度をとる
  • 柔軟性に欠ける

・効果的な声かけ例
「納期に間に合わせるために頑張ってくれてありがとう」
「議論を本題に引き戻してくれて助かったよ」
 

【擁護者=主要な利害関係者の決定や関与によって最も影響を受ける人々に配慮する】
・長所
部下や部下のニーズに配慮する、部下に実用的な支援を行う、
包括的、信義に厚い、人を信頼する、人間関係やチームへの献身、
誠実で面倒見がよく、奉仕と支援の精神を持つ

・短所

  • 仕事をやり遂げることへの関心が薄い
  • したたかな部下の決断に対して強いことが言えない
  • 考えが甘い
  • 論理性と分析力に欠ける
  • 結果への集中力に欠ける

・効果的な声かけ例
「今日チームを激励してくれてありがとう」
「○○さんをうまく議論に引き込んでくれたね」
 

【理想主義者=戦略的イニシアチブをとるために価値観や理想で部下を鼓舞する】
・長所
指針となる価値観を示して人々を鼓舞する、創造的、
相手を高揚させる言葉や理想を使って説得する、情熱的、
意欲的、周りの人を巻き込むような熱に似あふれている

・短所

  • ひらめきに富むが、実行に対する関心に欠ける
  • 非現実的
  • 裏付けのない理想を支持する傾向がある
  • 感情的な言葉に酔いしれる
  • 細かいことにこだわる人間にいら立ちを募らせる
  • 部下の欠点に目を向けようとせず、長所ばかりを強調する

・効果的な声かけ例
「あなたの話に触発されて、私も副業のために勉強を始めることにしました」
「あなたが会社の指針となる価値観を思い出させてくれたおかげで、いい決定ができました」
 

【挑戦者=挑戦的なスタイルで障害を乗り越え、革新を推進し、優れた成果を上げる】
・長所
現状を打破する、限界を広げる、明確な目標を掲げる、
周囲の人々に使命と目的を認識させる、常に目標と挑戦に目を向けている

・短所

  • 新しい考えをなかなかな受け入れようとしない人にいら立ちを募らせる
  • 自分が正しいと思いがち
  • 自分が考え出したものではない新しい考えは受け入れがたい
  • 確かな根拠がないと行動に出ない人への理解に欠ける
  • 威圧的
  • 他者の創造性を抑圧する傾向がある

・効果的な声かけ例
「あなたのおかげで最近新しい考え方ができるようになってきた」
「本当の問題ととてもいい解決策をすぐにみつけてくれたね」
 

2、コンピタンス=リーダーの技術と能力

・組織の期待に応える行動の背後にある技術、能力、知識。自分に何ができるかはコンピタンス(技術と能力)によって決まる。

・技術や能力を肯定することで、影響を与えたい人々の最高の力を引き出すチャンスができる
 

5つの効果的なアファメーションのためのガイドライン

①行動の表面化にある能力やスキルを評価する
成果に気づくことも重要だが、その成果の背景にあるスキルや能力を高く評価することも極めて重要。

②業績を肯定することは大事だが、「背景(なぜその時にアファメーションをする意味があるか)」も考慮すべき

③アファメーションは即座に与えなければならない

④フィードバックを行う際、特にフィードバックが反対意見である場合は、その前に信頼関係が確立していなければならない

⑤フィードバックを与える際、アファメーションは本心からのものでなければならない
 

3、コア=リーダーの内なる自己

・内なる自己、内面にいるリーダー、自分という人間、すなわち性格はコアによって決まる。

・他者に真の変化をもたらそうと思えば命の言葉で相手のコアに語り掛ける必要がある
→自分自身のコアが健全でないと、人に対して本心からアファメーションを伝えることは不可能

・スタイルやコンピタンスは行動に表れやすいが、コアはより深いところにあるので、目に見えにくく、わかりにくい

●相手のコアに語り掛けるアファメーション10のタイプ
誠実さ、勇気、謙虚さ、判断力、偽りのなさ、
自制心、知恵、率直さ、影響力、
復元力
(レジリエンス=うまく適応できる能力、適応力、復活力)

●死の言葉
・否定的なフィードバックは生産性を下げる
→否定的なフィードバックを受け取った人は、行動そのものではなく、自分の存在そのものを攻撃されたと感じる場合もある
 

他者の最高の力を引き出すためのアプローチとは

●相手が目指しているものと現在の行動との間に矛盾があることを、支援的な態度で指摘する

→向上心を刺激する
「あなたの夢や目標達成のために、手助けがしたい」という旨を伝える。
相手が達成したいと願っていることと、そのために必要な変化を結びつけることが大事。

→使命感を刺激する
組織の使命や、双方が企業全体への有益な貢献になるといった共通の願望に基づいている。
「両者にとって関連性があり、重要だと意見が一致した」使命や目標と、声をかける人の仕事とのつながりを確立すること。

子どもへの対応

・改善が必要な子どものあらゆる行動を、批判ではなく関連する希望や夢と結び付けてフィードバックする

・子どもの得意なことを見つけて、その能力をさらに伸ばすことで「自分自身」の成長を促す

・家庭内外で「私たち」を強く思わせる体験を多く取り入れる
→「私たち」の中では子どもは守られ、特別な存在でいられるという境界を提供する

・子どもを身体的、精神的、感情的に成長できる環境で育て、成熟し、独立した有能な大人になるよう支援する

・子どもを「見守る」ことを重視し、手を出しすぎない
→親が子どもを失敗や苦難から守ろうとした結果、子どもは苦い経験を通じて成長し、復元力を獲得する力を失ってしまう

・アファメーションの効果は、子どもが10代の時に与えられるのが一生で最も効果的かもしれない
→親である自分が健全なコアを持っている必要がある

「モチベーションの心理技術」まとめ

今回も特に自分にとって有益になる部分や「なるほど!」と思ったところをまとめてみました。
 
ほかにも、

・問題のある社員にどう対応すればいいのか?
・逆に、優秀な社員から最高の力を引き出すためには?
・チーム全体の生産力を高め、業績を上げるためにリーダーが行うと良いこと

といったことが書かれています。

具体的な声かけがたくさん載っていますが、丸ごと転用は難しいと思うので、一段階抽象化して、自分の環境に落とし込んで使ってみることをお勧めします。
 

あと、人に対して使うことを前提に書かれていますが、自分に対する声かけにも使えます。

自分を鼓舞するためにも使ってみようかなと思えた一冊でした。

内容をさらに詳しく知りたいあなたは、以下のリンクから「モチベーションの心理技術」、要チェックです^^
 

というわけで、今回は以上です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m 

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