「マインドサイト・マトリックス 」 を読んでみた!レビューと学んだことのまとめ@感情の仕組みを取り入れたセールスとは

マインドサイト・マトリックス レビュー 口コミ コピーライティング
この本をオススメできる人
  • 学術的に裏付けされた表を使って消費者心理について学び、販売に生かしたい
  • 心理学について興味があり、学びたい
  • 顧客に合ったマーケティングを実践したい

 

全339ページ。

過去100年の心理学の豊富な実験データや研究をまとめ、消費者を動かす感情的メカニズムを突き止めたのがこの本です。

人間の動機づけの背景にある感情の仕組みを9つのマトリックスとして表し、どの位置に属していたらどんなアプローチが効果的かについて書かれていています。

これをマスターすれば、売り込まなくても相手から「あなたの商品が欲しい」と思わせることができると謳っています。

自己概念、エリクソン、ピアジェ、スキーマ、アイデンティティ・・・本書で出てくるワードに、まるで大学時代に戻って心理学を学びなおしている気分になりました(笑)

多分、この本にも書かれている通り、このマトリックスがしっかり理解できると大分使える指標になるんだと思いますが、理解できるまでに修行が必要です。

サラッと読み流しただけでは難しいですね。私も、この記事を書くために読み込むことでようやくざっくり理解できました。

最初は難しくてサラッと流して読んで本棚にしまっていましたが、この記事を書くために再度読み込んでいくと、もともとの「心理学好き」な部分が反応し、ちょっと面白くなってきました。あなたがもし心理学が好きなのであれば、動機付けマーケティング、ハマると思います。

読みやすさ

人間の心理をマトリックスをもとに理論的に書かれているので、ビジネス書というか大学の心理学で使われていた教科書のような感じを受けました。

硬い文章で表現も少しわかりにくく、読みにくさを感じます。ただ、章ごとにまとめあるのは助かりました。事例などはうなずける部分も多いんですが、とっつきにくさを考えると・・・☆1で。

役立ち度

まずこのマトリックスを理解しないと何もできませんし、役立たせようとするのは難しいと思います。ただ逆に、マトリックスを理解できれば「なるほど!」と思う部分も多いですね。

マトリックスの理解がとりあえず一つの壁です。そのマトリックスに属する人たちに効果的なマーケティング方法やメッセージも書かれているので、壁を乗り越えれば役立ちポイントもあると思いました。

実行しやすさ

上記と同様に、このマトリックスを理解する必要があります。さらに、理解した上で実際自分のやろうとしている分野に落とし込む必要があり、難易度は高いと思います。

戦略はそれぞれあるんですが、自分のターゲットとする人がどの分野が多いのか見つける必要がありそうです。

・・・いや、どの分野の人にも引っかかるようなワードを入れたほうがいいのかな?いやいや、同じ製品を、それぞれの分野に人に向けたメッセージとともにサイトを何個も作った方が効果的かな。

色々試行錯誤できそうですね。

「マインドサイト・マトリックス 」で学んだこと

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消費者の動機づけから考えるビジネスモデルの指標、マインドサイト・マトリックス

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「すべての動機づけは、変化への願望である」という認識から出発し、そこから共通する2つの基本的な要素を軸にまとめたもの。
①その変化の効果がどこに現れることを望んでいるのか?
②どんな種類の変化を望むのか?

マトリックスの「列」=①の主要な答え3つ
1、「自分自身」をどう考え、どう感じるかについての変化を求める(内面の変化)
2、自分の周囲で起こる物事、人生やライフスタイルに影響を与える物事の変化を求める(外の状況の変化)
3、自分と関係のある人々(や、生き物)の変化を求める

1列目=内面の変化に向けられた動機(内発的動機づけ)
2列目=周囲で起こる物事の土無生物のものに向けられた動機(道具的動機づけ)
3列目=人や人間関係に向けられた動機(対人的動機づけ)

マトリックスの「行」=②の主要な答え3つ
その変化をいつ経験するのかによって区分している。
1行目=「期待」→将来がどんなふうに見えるかを変化させる動機づけ
2行目=「経験」→今この瞬間の経験を変えようとする動機づけ
3行目=「結果」→人生の選択や行動の結果に満足しようとする動機づけ

☆それぞれの動機づけに対して、ポジティブな感情の力(もっと望む願望)とネガティブな感情の力(少なくしたいと思う不満)の両方があるということも重要

・該当する動機づけを意識したメッセージを送ることで、効果的に売ることができる

内発的動機付け

「内発的動機付け」の人に伝わりやすいメッセージを作るポイントは「それを使うことで自分のことをどう感じられるのか」です。

その商品サービスを買ってくれたお客さんの自己イメージを高め、そのライフスタイルを称賛する方法を探しましょう。「自分もそのグループに入ってそのスタイルを共有したい」と思えるようなブランドイメージを構築するのが望ましいですね。

たとえば、ハーレーダビットソンなどはあのワイルドさが強力な売りとなっています。

ブォンブォン・・・ドッドッドッドッ・・・エンジンをかけて、果てしなく続く荒野を颯爽と走り去っていく、そんなカッコいいイメージがパッと思い浮かびますよね。こういった「イメージ」との一体化がカギになっています。

内発的動機付けは、「安全」→「アイデンティティ」→「マスタリー」の順で感覚を磨いていきます。

まずは「安全」。安全への欲求はほかのすべての動機付けへの入り口になります。「心配の種を取り除く」ことを約束するマーケティングが効果的ですね。

特に、新卒や新婚、初めて親になるときなど、人生のステージが変わるときは安全への欲求が高まるので、ここに焦点を当てたマーケティングを行いましょう。

不安をあおるテクニックはある程度効果的ではありますが、あおりすぎるとお客さんは尻込みして実際に行動に移さなくなってしまうので要注意です。

次に「アイデンティティ」。ここに属する人たちは、個人としてのアイデンティティを表現したいという気持ちが強く、なりたい自分にふさわしいものを買っています。そうして手に入れたアイデンティティを認めてあげて、そこに語り掛けるようなアプローチが効果的です。

経験への開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向といった主に5つの性格を理解しましょう。これらの性格の違いが、マーケティングメッセージの受け止め方の違いを生みます。性格の傾向を知ることで、お客さんとのコミュニケーションをどう取っていくのかを判断するのがベストです。

内発的動機付けの最後は「マスタリー」です。ここに属する人は、「自分の可能性を最大限に生かしたい」といった向上心が強い人々。前述した「安全」と「アイデンティティ」が満たされてようやく「マスタリー」にレベルアップできます。

マスタリーに属する人は、「失敗は自分を成長させるステップ」と考えているので、失敗への耐性も強く、熱心で、粘り強さもあります。

こういった人たちが望む商品は、「自分がやりたいことを今よりもっとうまくできるようになるために役立つ商品サービス」。あなたの商品サービスが適合するのであれば、ぜひマスタリーに属する人たちに向けてその点をアピールしたメッセージを送ってみてください。

その他、

  • それぞれの段階で「内発的動機付け」を意識した具体的な戦略
  • それぞれの段階で「道具的動機付け」を意識した効果的に売るためのメッセージの伝え方と具体的な戦略
  • それぞれの段階で「対人的動機付け」を意識した効果的に売るためのメッセージの伝え方と具体的な戦略

 
といったことが詳しく書かれています。

よくマーケティングの本には「ターゲットの顧客を徹底的にリサーチする」ということが書かれていますよね。

この本があれば、「どんな人に向けてどんな商品サービスを提供するのか」について、本書のマトリックスを照らし合わせながら選定することができますし、もうすでに商品サービスが手元にあるなら「この商品サービスはどういうカテゴリーの人に合うか」という逆引き的な方法もとることができます

また、ターゲットが定まれば、書かれている戦略を生かして「グサッと心に刺さるメッセージ」を作ることもできますよね。

少し難しいところもあるかもしれませんが、「心を動かすマーケティング」がしたいあなたはぜひ本書を手に取って読み込み、ビジネスに生かしてみてくださいね。

「マインドサイト・マトリックス 」目次、著者

目次

Preface
動機づけの秘密 -消費者の感情を理解する旅へのパスポート

Introduction
マーケターのミッション -知れば知るほど、知らないことが多くなる

P a r t 1  感情的動機づけという 視点から世界を見る
Chapter 1
動機づけマーケティング -人を説得して何かを売ろうとする技術
Chapter 2
感情の地図 -「マインドサイト・マトリックス」で感情の力をひもとく

P a r t 2  自分と向き合う
Chapter 3
内発的動機づけ -自分自身との関係が世界観の基礎を形作る
Chapter 4
安全の動機づけ -最も基本的で普遍的なもの
Chapter 5
アイデンティティの動機づけ -自分を見つけるための旅
Chapter 6
マスタリーの動機づけ -自分の中に最善の部分を見つけ、育てる

P a r t 3  物と関わる
Chapter 7
道具的動機づけ -自己を越えた欲求に私たちを駆り立てる力
Chapter 8
エンパワーメントの動機づけ -新しい課題に直面しても、自信を持ってこなせる
Chapter 9
エンゲージメントの動機づけ -完全に夢中になれる機会を求めて
Chapter 10
達成の動機づけ -誰もが何かを成し遂げたいと思っている

P a r t 4  つながる力
Chapter 11
対人的動機づけ-他者との親密な結びつきこそ、私たちが幸せになるために必要なもの
Chapter 12
所属の動機づけ -成功と存在価値は、誰とどうつながりを築くかにかかっている
Chapter 13
世話の動機づけ -必要なものは愛だけ
Chapter 14
尊重の動機づけ -最も発達が進んだ段階の動機づけ
Chapter 15
動機づけの研究 -偉大な先人たちが明らかにしたこと

P a r t 5  感情の力にアクセスする
Chapter 16
マインドサイト -感情脳に話しかける方法

Epilogue
旅の終わりに-そのやり方は消費者の理解に沿ったものか

著者

●デイヴィッド・フォーブス(David Forbes)
1985年にマーケティング・コンサルタント会社のフォーブス・コンサル ティングを設立。

その目標は、企業が消費者心理を深く理解することを通して、ビジネス上の優位を築く協力をすることだった。

それ以来、彼の会社は アメリカ国内外の有力企業のマーケティング戦略を向上させてきた。
クラーク大学で臨床・認知心理学の博士号を取得。ハーバード大学医学部の精神医学部教授で、ハーバード人間開発研究所のメンバーでもある。

画期的な動機づけ理論はこのテーマに関する学術界の議論を揺り動かし、クライアント企業の消費者についての考えとマーケティング戦略にも変革をもたらした。

コメント

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