- 自分自身と周囲の人たちの能力を最大限に引き出したい
- 最高最強のチームワークを築きたい
- 仕事や家庭でより良いものにするために、どんな自分であればいいのかを学びたい
「10年勝ち続ける最強チームの作り方」個人的な総合評価
2017年8月の月間ビジネス選書新刊です。全355ページ。
「最強のチーム作りか・・・外れだな」会社に務めているとか、社長やチームリーダーなら心躍る本でしょうが、個人でアフィリエイターやってる私にとって最初に思ったのは正直こんな感じでした。序盤を読んでいても、NBAやメジャーリーグ、アメリカンフットボールの実例が多くて、スポーツをやっていない私にとってはあまりピンとこず、「今回は返金してもらおかな」って思ってたんです。
でも、この記事を書くために諦めずに通読していくと・・・ふと気づいたんです。
「あ、私って、『家族』っていうチームに所属してるわ」
「そうえいばコミュニティメンバーと一緒にメディアサイト作ってるし、これは紛れもなくチームだな」って。
抽象度を上げて、そして自分に置き換えて改めて読んでみると、学べるところがたくさんあったんです。
(この、一見関係ないように思える具体的な事例を、抽象的にとらえてまた自分に落とし込めるスキルって結構重要)
中盤以降は個人のあり方についても言及されている部分があったりして、返金してもらう必要はなくなりました。
最高最強のチームになるためには、チームの成果や雰囲気、チームメイトの目標達成のためにどれだけ自分が動けるかといった助け合いの精神を極め、飾らないありのままの自分であることが大切。
ざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。最近自己中心的な考え方していたなぁと気づくきっかけになり、良かったです。
読みやすさ
なんせ、あらゆるチームスポーツの実例が多いです。しかもとても具体的なものばかり。私は、中学時代バスケット部だったので、試合の流れであれば読んで想像できるので楽しく読めました。(NBAの選手はマイケルジョーダンぐらいしか知りませんが)
バスケット、野球、フットボールなどのルールを知っていて、さらにアメリカのチームや人物も知っているのであれば(ファンである方はなおさら)、実例ばかりなのでとてもなじみ深くわかりやすく、読み物としても面白く読み進められると思います。
役立ち度
もし、自分が何かのチームリーダーや社長なのであれば、評価点はもっと高くなるように思います。最高最強のチームを作るために読むと学ぶものも多いでしょう。「家族」というチームの一員ではあるのでそこではある程度生かせますが、外注すら雇っていない個人アフィリエイターにとっては仕事に生かすのはちょっと難しいなと感じました。
まぁ、「ありのままの自分でいる」「積極的に相手のために行動する」というたいていの場所であれば通用する個人としての在り方は役立つことではあるので★3で。
実行しやすさ
理解できても、完全に実行するにはなかなか根性がいりますね。例えば、「自分の成果よりも相手の成果を優先する」「弱みも隠さずありのままの自分でいる」といったことは、書くのは簡単ですが実行には勇気が必要です。
どれだけ自分が属する「チーム」の成功のために、自分が動けるか・・・読み手の覚悟次第かなと感じました。
「10年勝ち続ける最強チームの作り方」で学んだこと
この本で勧められているのは「ヘルプ・ザ・ヘルパー方式(H2H)」という方法です。
ざっくりいうと、「自分のことより、チーム全体を考え、チームのために動くようにする」という方法。
チームにいる一人一人がチームのために小さいことでも構わないので日々行動を起こすことで、成長し、成功します。
チームワークには3つのパターンがあります。
1つ目は、チームの中の一人の存在が圧倒的で、それに追随して他の人も動くチーム。会社でいうと、アップルがそうですね。
このチームのパターンの弱点は、その圧倒的な一人が失われると、あっという間にチーム全体も衰退するということです。
2つ目は、チームの雰囲気や文化を、個人ではなく「方針」としてとらえるチーム。その方針は大体、時代が違っていても変わることはなく、見直されることもまぁありません。
チームに新入りがやってきても、「ここは昔からこういうところだから」という理由で従来通りの動きを教え込まれるので、たとえ天才が入ってきたとしても新しい風は吹きません。というか、吹かせません。新人は「なぜこの行動をとらなければならないのか」という会社の方針の意図を深く理解しないまま、教え込まれたとおりに行動することになります。
大学を卒業して最初に就職したところはこういう感じだったなぁ、と今思えば感じます。よくありますよね、こういう職場。
そして、3つめは究極の助け合いが行われているチーム(H2H)です。「チームのために動く」「チームの誰かのために動く」ので、全体的な結束力が高まり、パフォーマンスがアップします。また、精神的疲労や燃え尽き症候群の予防にもなるということが書かれていました。
そんな素晴らしいチームワークを作るためには、「他の人の働きをほめたたえ、感謝する」「他の人の仕事がスムーズに進むよう、積極的に協力する」「笑顔で、上機嫌で仕事をする」といった、やろうと思えばすぐにできることです。
・・・と言っても正直難しいですよね。無私無欲で相手やチームのために尽くすという姿勢でい続けることって。でも、「他の誰かのために動く」という文化がチーム全体に広がれば、そのチームに属しているだけで楽しく、やりがいがあり、パフォーマンスも上がり、その結果成功するという好循環を生み出すことができます。
もう一ついいチーム作りのために役立つなと思った方法は、「30分以上悩みこんでしまうことがあったら、相談する」ということです。そして、もしチームメンバーから相談を受けたらじっくり話を聞き、相手の感情や立場の理解に徹しましょう。お互いの悩みを打ち明けられ、理解しようとする環境を作り、それが当たり前になるような文化、チーム作りが大切です。
他にも、
- 他の人の素晴らしい仕事ぶりに心から喜べるようになると得られる4つのパフォーマンスアップ
- その人の「人となり」を見極める方法
- 3日坊主にならずに目標達成へのゴールに向けて行動できる方法
- よりよく協力し、よりよい勝敗記録を持つチームに共通するとあるコミュニケーション方法とは?
- 自分の究極的な目標を深堀する方法
- ほぼスランプ知らずにする姿勢とは?
- チーム内であなたが求められている3つのこと
- 最も強靭な精神力の持ち主の特徴
といったことをこの本で学ぶことができます。職場でのチームワーク向上にも役立ちますが、家庭に置き換えても役立つことが多かったです。あなたがもしチーム作りに悩んでいるのだとしたら、この本から何かのアイデアを得られるのではないでしょうか。
「10年勝ち続ける最強チームの作り方」目次、著者
目次
前書き 最強組織の秘訣
INTRODUCTION 究極のチームワーク
統計学の数字からは達成できない成功を追求する
PART1 ヘルプ・ザ・ヘルパー文化を築く
CHAPTR1 類まれなチーム ~H2H文化は、活動の中心から2歩離れたところに芽生える~
CHAPTR2 無私無欲の王朝を築く ~自分自身より大きな存在と一体化する~
PART2 ヘルプ・ザ・ヘルパーのエネルギー
CHAPTR3 ジャージーの前面 ~自分の名前よりチーム名に価値を置く~
CHAPTR4 ムチを捨てよ アメも捨てよ ~パフォーマンスの源泉から、やる気を引き出し、持続させる~
CHAPTR5 エネルギーを管理する ~H2H文化は、活性化から生まれるのではなく、活性化を生み出す~
CHAPTR6 30分ルールの行使 ~情報化時代のコミュニケーションの「効率性」に抵抗する~
PART3 最強チームを作る力
CHAPTR7 真の精神力を持つ ~H2H流の究極の組織を気付きたい人が身に着けるもの~
CHAPTR8 「測定不可能」を測定する ~マネーボールがやめたところから始める~
CHAPTR9 「非」リーダーになる ~ひとたびH2H文化の種をまいたら、でしゃばってはならない!~
著者
●ケビン・プリチャード
インディアナ・ペイサーズのゼネラルマネージャーで、ポートランド・トレイルブレイザーズの元ゼネラルマネージャーである。
1988年にNCAAで優勝したカンザス大学ジェイホークスの一員であり、NBAの5チームでプレーした。
●ジョン・エリオット博士
ジョン・エリオット博⼠(学術)は、表彰された⼤学教授兼コンサルタントとして、 世界中のプロスポーツ選⼿やコーチ、フォーチュン500社企業、医療施設にアドバイスを提供している。
20年にわたる経験の中で、クライア ントの100%がリーグ優勝、全国優勝、あるいは⾦メダル獲得を果たしている。
コメント
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